お子さんが大好きで、大切!
でも、お子さんと遊ぶのは、5分までが限界でもいい。
まだ私が初任の頃、とあるクラスのお母さんから声をかけられ、こんな嬉しいことを言っていただいたことがあります。
「先生、ウチの子、先生が大好きで、主人に、『青木先生みたいになって!』って言ってるんですよ〜」
もちろん、それは私にとって、嬉しいことです。
その嬉しさを素直に十分に味わった上で、考えを深めてみると、そのお父さんはお父さん、私は私、お母さんはお母さんなのです。
だから、私のようになる必要なんてないし、私がお父さんのようになる必要もないのです。
私のセミナーで、理想のお母さんとは、というテーマで話し合ったことがあります。
いろいろな声が上がりました。
・いつも穏やかでニコニコしているお母さん
・我が子の適性を見抜いて、ふさわしいことをしてあげられるお母さん
・子どもに尊敬されるお母さん
それぞれ素晴らしいですよね。
けれど、本当に100パーセント、そんな理想通りのお母さんだったら、子どもは苦しくて仕方ないですね。
え?
デキるお母さん、ちゃんとしたお母さんじゃないと、ダメでしょ?
いやいや〜
デキるところと、デキないところがあって…
ちゃんとしたところと、ちゃんとしてないところがあって…
人間ですよね?
サイボーグみたいなお母さんでは、子どもは、失敗ができません。
サイボーグ程ではないにせよ、私たち「先生」という職業についている人、特にお母さんが、家でも「先生」という正しさや権威の存在では、お子さんは自分の不完全さを黙認してもらえません。
だから、「先生」という鎧、スーツ、ユニフォームは、学校で脱いでいかないといけないのです。
これは親子関係にとどまりません。
例えば私が、プライベートの友人関係(そんなの、もうないか…)でも、先生みたいにしていたら、つまらなくなります。(だから、友達がいない!?)
私のセミナーで、子育ての何が苦しいか、という話をしていた時、我が子は本当にかわいいけれど、一緒に遊んで楽しいのは5分までで、そこから先は我慢大会だ、という方がいました。
その場にいらっしゃった、皆さんが、
「わかる〜」
と笑ってくださり、そのお母さんは、
「今日は来た甲斐があった!」
と、爽やかに帰られました。
逆に、
「私は家事が嫌で嫌で、子どもと遊ぶ時間ばっかりならいいのに…」
という方もいますし、
「どうしても、子どもをカワイイと思えない」
という方だっているでしょう。
それでいいのです。
子どもと遊ぶ時間は5分まででも、他の何かで、そのお母さんのラクなやり方や場で、お子さんと関係を深めることはできます。
というよりも、すでに関係は深いのです。
何かをしてあげたから、関係が深まるのではなく、もう深かった、ということに気づくだけなのです。
もう、堂々と、自然にいてくだされば、いいのです。