結局、何でも大丈夫。
何年か前のことです。
職場の先輩と印刷室でおしゃべりをしていました。
クラスで起きること、課題のある子とどう関わるかということ、お母さん達の心配をどう受け止めていくかということ、いろいろ話して、楽しかったり、スッキリしたり、学んだりしたのですが、最後の言葉は、こうでした。
「まぁ、結局、何でも大丈夫なんだけどね」
ピキーンという音がしたような気がしました。
そうなんです。結局は、何でも大丈夫なんですね。
もちろん、そうは思えない、という方も多いでしょう。
あの時、インフルエンザに罹っていなければ、あの学校に受かってたはず…
あの時、先生があの子を叱ってくれれば、こんなに悩まなかったはず…
あの時…
確かにその通りです。
確かにそうなんでしょう。
ところが、その時、その想像通りになる保証はないのです。もっとヒドく感じてしまうことにもなったかもしれません。
インフルエンザに罹っていなくて、思い通りの学校に受かっていて、満足して進学したのに、環境に馴染めず苦労していた可能性が、なぜ無いと言えるのでしょうか。
あの時、インフルエンザに罹っていなければな、と残念に思うのは人間だから当たり前だと私は思います。
私自身、あの時ああしていれば、と思うこともたくさんあります。
こんな話を子ども達としていた時、ある子に、こんなことを言われたのです。
「先生、結局、今、こうして僕たちと一緒にいるんだし、いいよね」
そうなんです。
結局、何でも大丈夫なんです。
「そんな風に悟ったりできません!」
それも当然だと思います。
しつこいようですが、私自身、ああすればよかった、こうすればよかったんじゃないか、そんなことしなければよかった、と後悔する人間なのです。
でも、結局、これでよかったと思えるようになってきました。
それは、子どもと関わる立場としては、大切なのではないかと感じます。
常に自分や他人について、後悔している人と過ごすより、毎日を明るく受け止めている人と過ごす方が、子どもの将来には、いいのではないかと思います。
今日はクリスマス。
世界で初めのクリスマスは、派手な電飾も飾りもなく、静かで、質素なものだったのではないでしょうか。
日曜日に重なったクリスマス。
私は、こんなことを静かに考えて、毎日に感謝して、過ごしています。
(吉祥寺や新宿のお店で見かけたら、人違いです…)