なんのかんの言っても、やはり押し付けはイヤ。
「今でいいのかな…」
「大丈夫かな…」
ちょっと意識するだけで、大いに効果がある。
先日、とある自動車ディーラーに行きました。
これまで購入したことのないお店でしたが、吉祥寺の街を歩いている時、チラシを手にし、行ってみてもいいな、と思ったのでした。
より正確に言うと、3週間ほど前にチラシをもらい、翌日には行ったのです。
が、試乗車がない、とのことで、手配できたら連絡する、という話で、その後、何もなかったのです。
実際、私としてもそのディーラーのことをすっかり忘れていました。
そんな時、「試乗車が来ました」と電話をいただき、
「あ、そうだった」
ということで、行ってみたということです。
試乗そのものは、まあ、楽しかったです。
が、低速で走っている時のギア選択がスムーズでないのか、どうもギクシャクする感じがあることと、アクセルペダルとブレーキペダルが近く、気をつけないと、ブレーキペダルを踏む時、一緒にアクセルペダルも踏んでしまいそうなのです。60点ぐらいの満足度で、お店に戻って来ました。
思えば、今は12月です。
月末までに納車しようと思えば、手続きの諸々を考えると、リミットが近づいています。
当然、営業マンはクロージングを焦ります。
とうとう、
「もう、今、決められませんか?」
と言われ、閉口して帰って来ました。
初めての試乗で、今決めろ、と言われても、そこに心を動かされる熱意は感じられませんでした。
そもそも、その車にさほど満足していないのですから、どんなアプローチがあっても、決める可能性は、とても低いわけです。
それに加えて、3週間の放置を経て、15分の試乗で、はい決断しませんか?は無理ですね。
強引に背中を押してもらえることは、車のように大きい買い物では必要なことでもあると思います。
が、背中を押す価値があるのは、押してほしいと本心では思っている時だけです。
当たり前のことですよね。
押す人の都合で、押されても困ります。怖いだけです。
お子さんに勉強や、生活習慣の改善、実行を求める時、このことを少し考えてみてほしいな、と思います。
子どもにとって、ウキウキするようなことでもない限り、実際上は、「押し付け」が必要です。
ただ、あまりにいつでも押し付けでは、それだけでやる気が無くなります。
「今、大丈夫かな…」
と、頭の片隅で考えてみるだけでも、そのゆとりがお子さんには救いになるのです。