「ねぇ〜なんで勉強なんて、しなくちゃいけないの?」
こんな質問の答えには、いろいろあるけれど、これだけは、心の中で思っておきたい。
「それはね、大人のためだよ」
いきなり身もふたもない話ですが、子どもは敏感です。
そして、敏感過ぎるところがあります。
勉強しなくちゃいけないのはわかっていて、面倒になると、大人が困るとわかっていたり、大人の心の幅を試そうとしたりして、
「なんで勉強なんて、しなくちゃいけないんだ!?」
というような質問をしてくることがあります。
その答えには、いろいろなバリエーションがあると思います。
真剣に勉強の意味を知りたいと思っているのなら、あなたが感じている、自分で経験した勉強の喜びを語るのが一番です。
「私は勉強しなくて困ったから、あなたはやりなさい」
というタイプでは、
「じゃ、今からやりなよ」
というようなイジワルな反発心も産んでしまうかもしれません。
聞かれた大人が、自分の経験した勉強の喜びを語るのが一番効果的で、子どもは安心できます。
一方、単にやる気をなくしていて、やらない口実を探しているだけなら、具体的なメリットをいくら答えても、反論が止まらなくなります。
そんな時は、選択肢は2つです。
まず、何も答えない。
完全なる無視です。
やるべき課題を目の前に置き、横に座って、何も言いません。
私はこれが一番いいと思いますが、冷たく感じるならば、やるべき課題を終えたところで、最初のパターンのように、あなたが感じた勉強の喜びを伝えてあげるのがオススメです。
さて、どのケースでも、大人の心の中にしまっておくこととして、勉強しなくてはならないのは、大人のためだということを意識しておきたいなと思います。
外で遊びたい、ゲームをしたい、本を読んでいたい、テレビを見たい、ゴロゴロしていたい…
そんな欲求が湧いてくるのが自然なのです。
勉強に楽しみや喜びがあるのは、間違いないのですが、子どもが目の前の欲求にかられるのは当然のことです。
それはわかっているけど、子どもの当然の欲求に任せて、
・力がつかなかったらどうしよう
・他の子より遅れたらどうしよう
・この時期にすべきことをさせられなかったらどうしよう
・子どもの欲求に負ける親だと思われたらどうしよう
・子どもをうまくやる気に導けないダメな親になったらどうしよう
など、不安材料がムクムク湧いてきてしまう、ということはありませんか?
大人がそう不安になるのも当然ではあるのですが、だとすると、今、目の前で、カリカリと勉強してほしいのは、
「私を安心させてほしい」
というホンネが隠れているのだと思います。
しつこいようですが、大人がそう感じるのも当然なので、それに罪悪感を持つ必要もなく、勉強を始めたお子さんの横に座って、
「いやぁ〜私が安心できるために、ありがとう〜」
とほくそ笑んでいることが大切です。
勉強する喜びは、あるところまで人格が育ち、私は私の関心のあることをやるんだ!と、ハラが決まれば感じることができます。
お子さんは、小さければ小さいほど、お母さんの気分と一体化しています。
お母さんがホンネに正直でいることは、お子さんの成長にとても効果的なのです。