選択に迷った時、「正しい」答えを選ぶヒント
東京の私立小学校は、まもなく考査の時期です。
11月1日が解禁日となっていて、いわゆるお受験ルックの人を目にすることもあると思います。
私は、勤めている学校で広報を担当しているので、小学校受験を考えていらっしゃる方のお話をたくさん伺っていますが、その中で、
「どの学校を選べばいいのか、我が子に合っている学校はどこなのか、難しい」
という話をよく伺います。
私立小学校受験の場合、大学受験のように3つ、4つ受けてみて、さあどうする…ということは、ほとんどありません。
私の勤める学校では、考査日を遅らせていることもあるでしょうが、あえて私立小学校という選択をする方は、方針があって、学校を選ばれているので、いわば決め打ちという方がほとんどです。
それでも、出願までは、いくつかの選択肢で迷うこともあるでしょう。
「この学校は、こういうところは、とてもいいけど、ああいうところは、ちょっと…」
というのは、当然のことです。
学校の受験に限らず、毎日の食事でさえ、選択肢があれば迷います。
それは、「正しい」答えを選ぼう、つまりは、失敗しないようにするにはどうすればいいか、と力が入ってしまうので、選べなくなってしまうのですね。
だとすると、考えるべきことは、1つです。
「何のために?」
これで、目的を深めることです。
深めて、深めていくと、きっとホンネで気になっていること、叶えたいことが見つかります。
・小学校受験をするのは、何のために?
というような話なら、目的も見つけやすいでしょう。
でも、
・晩ご飯を食べるのは、何のために?
では、おそらく、納得のできる答えは見つかりませんね。
そんな時は、
「どんな気持ちになるために?」
と考えるのもオススメです。
晩ご飯の時、麻婆豆腐を食べている食卓、ハンバーグを食べている食卓、焼きなすを食べている食卓、そして、その時の大切な人の表情や様子を想像することで、きっと「正しい」答えが見つかります。
それは、実は受験の時も重要なヒントだと思います。
・お子さんが伸び伸びできる環境を整えてあげるために。
・お子さんに英語力を早くつけてあげるために。
そんな具体的な目的が思い浮かんだら、達成した時のお子さんの表情や様子を想像してみて欲しいなと思います。
その時、お子さんはどの学校に行っているでしょうか?
あるいは、学校なんて関係ないかもしれません。
実は、学校よりも、ご家庭でのお子さんの笑顔ばかりが頭に浮かぶかもしれません。
「正しい」選択が、「失敗をしない」ことなら、何が正しくて、何が失敗なのか、多様すぎて選べません。
ですから、「正しさ」よりも、ホンネで満足、納得できるためにはどうすればいいか、を考えることが大切です。
さて、ホンネで満足、納得できるのは、誰でしょうか?
それは、お母さん、あなた自身が、です。
ここで、主語をお子さんやご家族など、他人にするのではありません。
「わたし」
です。
子どもを一番、やる気にさせるのは、お母さんの笑顔であり、満足なのです。
ですから、あなた自身が、自分の気持ちを掘ることが大切です。
そして、考えた結果が、人には言えないような恥ずかしい、あるいは欲深いようなものでも、大丈夫です。
だったら、人に言わなければいいだけです。
「いろいろ、理屈を並べたけど、本音は、あの子より、いい学校に行ければいいの」
「英語や、自然体験や、いろいろ理屈はあるけど、本当は、嫌なあのファミリーと離れればいいの」
そういうことだっていいじゃありませんか。
ペラペラ、言う必要はありません。
でも、自分自身では自覚しておくことで、どんな結論が出ても、満足、納得ができます。
お母さんご自身が、心から満足できる選択が何かを考えることは、子どものことを一番考えた「正しい」選択をするための唯一の方法なのです。