お母さんが、お子さんに大らかに接することができるために、気にして欲しいこと。
何から何まで、自分でさせようとする必要はない。
初めの20パーセントは、どんどん手伝う。
「腹八分目」で十分!
「八」は、末広がりで、縁起がいい。
80点でいい、ということは、諦めではなく、次に向かうために余力を残すこと。
私は、ほとんど毎日、お母さん方のお話を伺う機会があります。
みなさん、本当に熱心で、一生懸命で、頭が下がります。
その中で、時々、ある話が、
「子どもに大らかで、いつもニコニコしていたい」
ということです。
今日こそは!
と決めていても、夕方には、イライラしている自分に気づき、またイライラ…
そんなことも多いとか。
子どもって、あえて気持ちを逆なでするようなことを言ったり、やったりすることも多いと思います。
だから、いくら覚悟を決めても、イライラして当然ですね。
さて、そうは言っても、何とかしたい…
ならば、八分目を目指す、ということをオススメします。
子ども達が何かをしなかったり、いい加減にしたりすることは、教室でもあり得ることです。
宿題をやらなかったり、わざと力を抜いて取り組んだり、お母さんや教師たちならずとも、喝を入れたくなることは、ままあります。
そんな時、私はまさに喝を入れてきました。
それも大切なことではあったのですが、ある時、
「本当はやりたいけど、やれない不安の裏返しなんだ!」
と気づいたのでした。
本当に怠けているなら…
あるいは、先生やお母さんに怒ってもらうというキッカケが欲しいなら…
喝も効果的ですが、不安があって取り組めないなら、喝は逆効果です。
そこで、私は、
「できなくても大丈夫。後で教えるから」
とか、
「初めの何問か、一緒にやろうか?」
とか、
「無理しなくていいよ」
とか、そんな言葉をかけるようにしてきました。
つまり、
・どんなに難しい問題でも、まず、自分で取り組む、という強い心を育てたい!
・多少、難しいとしても、アレコレ悩んで、少しでも自力でできることを増やしたい!
などの目標から、
「やり始めは、しっかり手伝うから大丈夫」
と、スタートの20パーセントは、できなくてもいいよ、と認めたということです。
私は、初め、そんなことは過保護で、自分から取り組めず、誰かに甘えることが当然の子になってしまうのでは?
と心配していました。
が、ほとんどの場合、それは杞憂でした。
初めこそ、一緒にやってもらいたがっていた子も、すぐに、
「もう大丈夫。自分でやるから」
と言い出しました。
1から10まで、全部、手伝う必要ありません。
初めの1と2だけ、できなくてもいい、と認めるだけで、子どもにかかるプレッシャーが、ずいぶん下がります。
そして、お母さん自身が、心からそう思ってくださったなら、お母さんの心にも20パーセントのスキマができます。
その20パーセントのスキマが、イライラを減らし、少し長い目で、必要なことを考えられることにつながるのです。