時には、サメを思って欲しい。
ニシオンデンザメは、400年生きる。
時事ドットコムに、こんな記事がありました。
「400年生きるサメ?地球で最も長生きの脊椎動物か 研究」
(こちら)
タイトル通り、400年以上も生きるというサメがいると、国際研究チームが発表したとのことです。
このタイトルを見た時、私は思わず、クリックして記事を全部読んでしまいました。
400年…
ちょっと、私達の感覚から離れてしまっています。
いや、ちょっとどころか、全く、ですね。
今から400年前というと、1616年。
元号では、元和2年。
徳川家康が没した年だそうです。
逆に言うと、今年生まれたニシオンデンザメは、順調に育てば、2400年頃の地球を生きていることになります。
これを読んで、時間の捉え方って、生き物によって、かなり違うな、という気になりました。
「ゾウの時間ネズミの時間」(中公新書)という本川達雄氏の名著もありますが、時々、違う生き物の時間の流れ、成長の過程を考えてみることで、目の前の子育てや自分の成長の悩みから、少し解放されると私は感じます。
「今」を生きることは、とても大切なことではありますが、「今」できないことにばかりフォーカスすると、「そのうち」できるようになることも、「もうずっと」できない。という気になりがちです。
お母さんという立場では、「今」、お子さんができずに困っていることがとても心配だったり、気がかりだったりすることもあると思います。
どうしたら、早くできるようになるか、一生できなかったらどうするか、など、不安が高じて、腹が立ってくることもあるかもしれません。
「あの子は、あんなに早く、できるようになったのに…」
確かに、人によってできるようになるのが早い人、遅い人がいます。
そして、人によっては、一生できるようにならないこともあります。
私は、どうトレーニングしても、100mを10秒で走れるようにはなりませんが、小学校中学年の頃、100m走でどうしても20秒を切れないと思っていましたが、6年生の時には、何とか切れるようになっていました。
100mを10秒で走れないからといって、嘆く人は、ごくごく少数でしょう。
・一生、できないことがあってもいい。
・できるようになるために、時間がかかることもある。
こんな当たり前のことを、時々思い返すために、ぜひ、ニシオンデンザメを思い浮かべて欲しいなと思います。
今、北極海を悠々と泳いでいるニシオンデンザメは、江戸時代の生まれです。
今、ヨチヨチの赤ちゃんニシオンデンザメは、数百年後の海を味わいます。
これから、人間の寿命はさらに伸びるかもしれません。
徳川家康が没した当時、平均寿命が80歳を超えるなど、きっと想像もされていなかったでしょう。
お子さんのできない何かが気になって仕方がない時は、時間の流れを長く、長く見ることをオススメします。