心穏やかな毎日のために、ヒントにしてほしいこと。
"ココロは振り子"理論。
ずいぶん前のクラスの話です。
学年も終わりに近づいた、3月のことでした。
ある男の子が、突然、手を挙げて、こんなことを言い出しました。
「来年も、青木先生がいいな!」
突然のことで、ビックリしましたが、もちろん、そんなことを言ってもらえて、とても嬉しかったことは間違いありません。
が、次の瞬間、偏りすぎの危険性も、ちょっと感じました。
一つの方向に気持ちが大きく動いた時は、その逆にも動くはずなのです。
そうでないと、バランスが取れません。
先生、大好き!大好き!
があるなら、
先生、大嫌い!大嫌い!
とセットでないと、おかしいわけです。
私は彼の言葉を疑ったわけではありません。私のことを信頼してくれての言葉だと思います。
ですが、その唐突さや勢いに、ちょっと慎重になろう、と感じたのでした。
クラスには、他の子もいます。
いろいろな感じ方をする子がいるはずです。
ですから、私は、彼のその言葉に対しては、とても冷静に、
「ありがとう。嬉しいよ。」
とだけ言いました。
今であれば、クラス全体に対して、もっとプレッシャーをかけない言葉も添えるかもしれません。
嬉しい時は、嬉しいでいいし、悲しい時は、悲しいでいい。
あんなヤツ、大嫌いだ!という時は、とことん大嫌いでいい。
けれど、いずれ、その反対の気持ちも湧いてくるはずだ、と大人はおおらかに構えていることが大切ではないか、と思います。
特に、悲しい時、嫌なことがあった時、腹が立って仕方ない時、そんな、「ネガティブ」な気持ちに子どもがもまれている時こそ、最も頼りになる存在であるお母さんが、ココロは振り子だ、とどっしり構えていてくださると、子どもは救われるのではないでしょうか。
もちろん、お母さんだって人間です。
お子さんの話を聞いて、悲しくなったり、腹が立ったりもするでしょう。
いや、むしろ、一緒に悲しんだり、腹を立てたりしてくれないと、子どもは孤独です。
お子さんと一緒に、悲しんで、腹を立てて、場合によっては、お子さん以上に、悲しんで、腹を立てて、それから一足先に、ニュートラルの位置まで、戻ってくださると、ありがたいな、と私は思います。
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