とっても気になるアイツの存在…
腹が立ったり、ケンカになったり、無性に気になる、その理由は、アイツの言葉や態度の中に自分がいるから。
だとすると、気になるアイツのいいところも、自分のいいところなはず。
以前、ある男の子が教室で落ちていた消しゴムをスッと何も言わずに拾ってくれたことがありました。
彼は、私が担任をしていた子ではありませんでした。
「気がきくね〜ありがとう!」
と私はその子に伝え、気持ちのいい子だなぁ、と心が温かくなったのでした。
さて、それからしばらくして、彼の弟の担任をすることになりました。
一年が経ち、クラスのみんながメッセージを書いてくれたのですが、弟くんが私に書いてくれたのが、
「消しゴムを拾った僕に、気がきくね、と言ってくれてありがとうございました。一番嬉しかったです」
ということでした。
あれ?
その言葉はかなり前に、お兄ちゃんに、かけた言葉です。
ところが、それを何かで聞きつけた弟くんは、自分が言われた言葉だと、心の中で思い込んだのでしょうか?
私は弟くんのことも、ずいぶん認めていたつもりです。
お兄ちゃんの方は、私が担任していなかったので、関わる時間は、圧倒的に弟くんの方が長かったですし、弟くんは、勉強面でも、運動面でも、人間関係の面でも、頼りになる存在で、私としては、そのことを言葉にして伝えていたつもりです。
なのに、一年の最後に「一番嬉しかったのは、消しゴムを拾った時に認めてくれたこと」だった…
兄弟や姉妹などの場合、特にそうですが、比較的にならないように、そして、どんな伝え方をするのがいいか、勉強になったとともに、「気になるアイツ」の存在の大きさも痛感しました。
弟くんも、とても気のきく、頼りになる存在。
お兄ちゃんの中にそれを探さなくても、あなたの中に、十分に、そういう良さがあるよ、と伝えてあげたかった。
兄弟に限らず、友人関係でも、どうしても気になる存在がいるものです。
なぜか腹が立つ。
どうしても気になる。
アイツが何か言うと、理屈抜きでイライラする。
など、
「なぜか…」
「妙に」
「無性に」
心が動く、という相手は、実は自分の姿を映しているような気がします。
そんな、気になるアイツの、気になって仕方がないポイントは、良くも悪くも、あなたの一面だよ、というふうにとらえることも、心を軽くすることにつながるような気がします。
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