子どもの言動にヒヤッとしたり、イラっときたりした時、考えてほしいこと。
あなたは、車の運転をしていて、子どもの飛び出しにヒヤッとしたことがありますか?
私の場合、何年か前に、渋滞していた対向車線から、スッと小さな子が出てきて、ヒヤッとした経験があります。
大人の感覚からすると、どうしてそんな危ないことができるの?
と思うことでも、子どもの場合、身長や視野の広さという物理的な制約で、大人の感覚で考えてはいけないのですね。
自動車メーカーのホンダでは、交通安全の啓蒙活動として、
「CHILD VISION」
という子どもの視野を体験できるメガネの情報を提供しています。
それによると、大人の左右視野が約180度あるのに対し、幼児の場合は、わずか90度。
半分しかありません!
さらに身長も約半分ぐらいと考えると、よほど大人の方が気をつけてあげなくてはならないのは、当然です。
さて、話は事故防止にとどまりません。
毎日の生活の中で起こる、様々な出来事についても、子どもの経験は大人より、圧倒的に少ないのです。
30歳前後でお子さんを授かったとすると、すでに30年の差があるのです。
当たり前のことです。
そんなこと、わかっていますよね?
ところが、お子さんも小学生ぐらいになり、言葉では大人と同じようなことを言うようになると、ついつい、圧倒的な経験年数の差を忘れがちです。
人間関係のトラブルは、大人でも嫌なものですが、子どもにとっては、大人の感覚以上に辛いものだったり、逆に、大人からすると、ひどい!と憤慨したくなるようなことなのに、全く気にしていなかったり、ということがあります。いや、よくあります。
その大人の感覚とのズレは、大人にとって、「?」マークを心の中で飛び交わすことにもなりがちです。
交通事故防止のための子どもの視野を把握することは、「CHILD VISION」など、具体的な体験として経験できます。
が、心の方は、なかなか簡単ではありません。
何かがあった時のお子さんの反応にイラっときたら、
「そうそう…4分の1、4分の1。今はこれでいいんだ」
と思い出してみてください。
視野も経験も4分の1の相手なんですから、まあ、仕方ないですよね。
そして、それはあまりに違うでしょ!と思うなら、怒る前に、
「知らなくて(できなくて)当たり前ん。教えてあげよう」
という感覚で接することが大事なのではないかと思います。