親子で心をラクにできるヒント
「勝ち負けを手放す」
言うは易く、行うは難し、ではありますが、私が教室で過ごしていて感じることです。
勝ち負けにこだわることを手放せると、毎日の生活がラクになるようです。
というのも、勝ち負けにこだわる、ということは、その根にある心理は、
「人に対して、目に見える形で勝たないと、自分がダメなんだ」
という怖れに近いものがあるように感じるからです。
つまり、スポーツマンシップに則った、あるいは一騎打ちの武士道精神に基づいた「真剣勝負」というよりも、いかにして、自分に対して持っている不安感を解消するか、という鬼気迫る「闘い」であるように見えるのです。
では、「真剣勝負」か、鬼気迫る「闘い」か、どう見分けるでしょうか?
それは、勝負・闘いの後にはっきりします。
「真剣勝負」の後は、負けても、清々しい様子で、勝っても、物静かな喜びがにじみ出ます。
一方、鬼気迫る「闘い」の後は、負けてしまったら、悔しがって悔しがって、ともすれば、相手のズルを責めます。勝ったとすると、異様なオーバーリアクションで喜びを表現したり、とも知れば、負けた相手の弱さやミスを重ねて罵倒します。
どうであれ、勝って嬉しいのは当然ですが、自分の不安を解消するための「闘い」では、心の平穏は訪れそうにありません。
落ち着いて考えれば、誰にだって得手不得手があるのだと思います。
「なんで、あいつは、あんなにできるんだ!」
と、歯ぎしりしたとしても、実は、自分の方がよくできることもあるのものです。
もし、お子さんが勝負にこだわりすぎるな、と感じられたら、
「この子に自信をどう、つけようか」
という見方で、言葉や態度などを考えてみていただきたいな、と思います。