得意なことと好きなことは違うこともある。
先日、大学生になった卒業生と話す機会があり、大学生活について、いろいろ聞いていました。
彼はいくつかの大学を受験し、ご縁があった学校、なかった学校があり、結局、とある大学で学んでいるのですが、今になって、こんなことに気づいた、というのです。
それは、
「得意なことと好きなことは違うかもしれない」
ということだったそうです。
というのも、大学生活について話していた時、
「来年は後輩に指導もしなくちゃいけないんですよ。なのに、全然、勉強したくなくて、マズイです」
という話になりました。
好きなことなら、言われなくても、勉強なり、準備したくなるはずなんですね。
おや?
と私が思うと、彼が、
「得意なことと好きなことは違うかもしれません…」
と言い出したのでした。
高校時代、一番、点数の取れた教科が好きだと思い込んで、学部も学科も、学校も選び、楽しいつもりだったのですね。
が、学年が進むにつれ、内容も深まります。
自分自身の奥底にある声に気付いたのでしょう。
これは大学生に限らず、我々も同じかもしれません。
私の話で恐縮ですが、私は算数が嫌いで嫌いで、本当にイヤでした。
なのに、かつてのクラスで、
「先生って、算数好きでしょ〜熱が入ってるもん」
と、四年生の子に言われ、愕然としたことがあります。
私の場合、四年生までは、あんなにスラスラできていた算数が、五年生になり、受験勉強も本格化する中で、面倒なことがイヤ、そして、できない自分を見るのがイヤで、逃げ出していたんですね。
その後も、ちょいちょい、算数について、周りの大人はヒントをくれていました。
例えば、中学三年の時、担任の先生が休みの日、どういう訳か、隣のクラスの先生が、
「青木、内緒で入試の時の成績を教えてやろう」
と急に言い出して、算数が良くできていた、と教えてくれたのでした。
高校生の時は、理系か文系かを選ぶ時、イヤでイヤで、顔も見たくなかった数学の先生に呼び出され、
「青木、理系も考えろ。医学部を考えろ」
と言われ、逃げ出したこともありました。
予備校では、やはり数学の先生に呼び出され、
「お前は、数学で文系大学を受けろ。強みになる」
と言われ、やはり逃げ出してきました。
思い込みとは、本当にスゴイなぁ、と思います。
お子さんは、お子さんなりに、
自分はこれが得意。
あれは苦手。
と決めていることも多いと思います。
が、それは意外と自分の逃げたいものから逃げ出す口実になっているかもしれません。
小学生だからと、なめてはいけません。
人間は言い訳の天才だと、自戒を込めて思います。
お子さんの得手不得手、そして、本当の好みをお母さんが、予断を持たずにつかんでおくことは、将来の可能性を広げることになるのではないでしょうか。
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