子どもを救う魔法の言葉は、
「あ〜あるある。お母さんなんて、もっとヒドかった…」
知人がFacebookで、こんな記事をシェアしていました。
都内の公立小学校教諭だった女性が、2006年に自殺したことについて、東京地裁が、公務災害であると認めた、という記事です。
保護者対応や職場の支援不足が彼女を追い詰めた、という判決なのだそうです。
最近は、モンスターペアレント問題が話題になったことで、お母さん方が、
「モンスターペアレントになったら困るので…」
とおっしゃることもあるのですが、このようなことが起こると、かえってお母さん方を萎縮させてしまうことになるかもしれません。
私の記事を読んでくださる方は、ほとんどがお母さん・保護者です。
ですから、こういうことを書いていいのか、ちょっと迷ったのですが、私として大事にしていることを書きたいので、趣旨をご理解くだされば幸いです。
何年か前、モンスターペアレント問題についての講演会に行きました。
その際、講師(お名前や肩書きはすっかり忘れてしまいました…すみません…)がおっしゃったのは、
「教師が自殺するのは、保護者にクレームを言われるからではない。身内であるはずの上司や同僚から、ろくでなし扱いをされたからだ」
ということです。
今回の判決にも、職場の支援不足についての認定があるようで、よかったと思います。
私も、保護者対応は一筋縄ではいかないと思います。
が、どこかで、それは当たり前のことと思っています。
以前から書いていますが、大切なお子さんのこととなると、感情的になるのは、当然なのです。
しかし、そんな時に、身内である教職員仲間から糾弾されたら、相当にキツいと思います。
それは、対応を改善するための率直な意見交換ではありません。
「だからダメなんだ!」
という単なる責めです。
すると、いよいよその先生は孤立無援になってしまいます。
こうなるとキツい。
そんな時は、責めるでもなく、成功体験を見せつけるでもなく、
「あ〜あるある。そういうこと…」
という共感できる体験談です。
「へぇ〜こんなに立派に見える先輩も、こんな失敗してたんだ〜」
とオープンに話し合える同僚に恵まれた関係は、素晴らしいなぁと思います。
このことを親子関係にあてはめてみましょう。
何か気がかりなことがある時、お母さんの体験談は安心材料になるでしょう。
「あ〜あるある」
と言ってもらうのと、
「なんでそんなこと!バカじゃないの?」
と言われるのでは、圧倒的な差です。
お子さんが困っている時こそ、まずは、ハッパをかけるのではなく、共感的な関わりを心がけたいものです。