組み体操にこだわる必要があるのでしょうか?
困難を乗り越える力は、いろいろな方法で育てられる。
しかも、それを人に見せる必要があるのでしょうか。
運動会といえば、リレーに徒競走、もしかしたら綱引き…
あなたにとっては、どんな競技が思い出に残っていますか?
運動会といえば、組み体操!
という方もいらっしゃるかもしれません。
皆で力を合わせて、お客さんに完成を見てもらう…
確かに、花形種目の一つと言えるでしょう。
が、実は私自身は、子どもの頃から、教師になった今まで、組み体操をしたことがありません。
友人たちの言葉からは、よかった思い出というものを聞いたことがないので、じゃあ、誰のための種目なんだろう…と思っていました。
このところ、組み体操による事故が多発し、問題になっているそうです。
※「事故の危険」か「教育効果」か=広がる組み体操規制(時事通信)
なるほど。
困難を乗り越える力、特にクラスみんなで!というのが、狙いなのですね。
しかも、大きくて、迫力もあるので、アピール度は高いわけです。
私の勤める学校は、日常の、当たり前の生活こそ第一、という理念があるので、良くも悪くも、「見せる」ための活動に授業時間を割くことを極力、減らしています。
ですから、私の記憶にある限り、運動会の検討で、組み体操の検討をしたことはありません。
徒競走、リレー、綱引きに、学年毎の種目など、子どもが、真に動く競技を、できる限り、たくさんできるようにします。
もちろん、皆で、困難を乗り越える経験は大切です。
特に中学年以降は、そういう経験は必要でしょう。
しかし、それをなぜ、人に見せる必要があるのでしょうか。
自分たちの心からの努力は、イベント云々ではなく、何のことはない、当たり前の生活の中でこそ必要なのではないか、と私は思っています。
組み体操…
困難を乗り越える経験をさせたいのが、本当の目的なら、もっと、目の前の日常に、いろいろな方法があると思います。
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