お母さんから離れられなくて、修学旅行がイヤ?
分離不安への対処についてヒント…
お子さんの好きなこと、困っていることを、一緒に、場合によっては、お母さんがやってあげる。
「楽しい修学旅行を嫌がる子どもが急増中!その理由は?」と題した記事があります。
(こちら)
この記事では、小学校上級生、おそらくは6年生での修学旅行に行きたがらない子ども達について論評しており、その原因として、母子分離の不安を挙げています。
私の勤める小学校では、2年生から6年生まで臨海学校を行っており、1週間近く、寝食を共にします。
「え?2年生からですか!?」
と、初めは皆さん、驚かれます。
が、少し前までは、1年生から行っていたのです。
それぐらい、自然の中で、子ども同士、子どもと教師たちが深く交わることを重視しているわけです。
2年生で初めての臨海学校を迎えた子どもたち。
心境はいろいろです。
もちろん、お母さんと離れる不安で、嫌がる子もいます。
ところが、いざ、バスが出発する時、涙で頬を濡らしているのは、お母さん方なのです。
まあ、これは、だいたい毎年のことです。
このことを臨海学校前の保護者会でお話しすると、皆さん、お笑いになるのですが、それでも、やっぱり、ハンカチで目を押さえてのお見送り儀式となります。
この分離不安については、皆さんも耳にされたことがあるのではないかと思います。
2年生はおろか、まず、小学校入学直後、教室になかなか入れない子は、よくいるものですし、それ以前に、幼稚園に行きたがらない子もいるものです。
さて、そのような場合、お母さんとしては、
育て方を間違えたのか…
とか、
異常があるのだろうか…
などなど、いろいろな不安を持たれるかと思います。
こういう時も、原因を探ったり、お子さんを責めたりせずに、
「満足するまで付き合うか」
とハラを決めることが大切なようです。
私の勤める学校の場合、お母さんが一緒に登校したり、教室で過ごすことも可能なのですが、学校によっては、そういうことをとても嫌がられる場合もあるようです。(私の勤める学校でも、教室には入っていただいて何も問題ありませんが、臨海学校などの同行は不可にしています)
学校によって、できることは変わってくるでしょうが、お子さんが何かで満足するまで時間をかける必要がありそうです。
ですが、そうはいっても、ずっと家庭内で一緒だったり、毎朝のように嫌がられると、お母さんが、精神的に追い込まれてしまうのが気がかりです。
そこで、具体的にどうするか。
私は、2つご提案します。
・お子さんと一緒に、お子さんの好きなことをする。
・学校の宿題や提出物の準備を一緒に(場合によっては、お母さんが)やってあげる。
これは甘やかしではありません。
飛行機が離陸の前、十分に滑走するのと同じ、「準備」あるいは、その前の「整備」なのです。
私は、教室で子ども達と過ごしてきて、何かをさせたい、と思うなら、させたい人が、一肌脱がなくてはならない、と思うようになりました。
宿題をなかなかやって来ない。
だから、やらせる。
けれど、言っても言っても、どれだけ叱っても、やっぱり、やって来ない。
そんな時、やって来なかったノートに、初めの数問、
「こうやるんだよ」
と、私がやってあげると、それからやってくるようになったことがあります。
車は、動き出す時に、一番、エネルギーを消費します。
坂道が急なら、後ろから押してあげる必要があるようです。
そんな後押しが必要なお子さんは、弱いわけではありません。
できない自分と直面したくないだけなのではないでしょうか。
ですから、そんなお子さんを温かくケアすることは、甘やかしなどではなく、理にかなった、適切なサポートなのだと私は思います。