気持ちは吐き出せばいい、というものではないのでは?
熟成を経ると、まろやかに、味わい深くなっている!
「悩みがあったら、何でも言ってね!」
そう言ってもらえると、とても気持ちが明るくなれそうです。
私自身、そう言ってもらって、実際に相談し、とても心が軽くなった経験もありますし、
逆に、何でも言ってほしい!とも思っています。
が、
その逆も、また必要なのではないでしょうか?
たまったものを吐き出すことは、確かにいいのですが、あまりに焦るのも考えものです。
ためて、ためて、ためておくと、熟成して、まろやかになることもあるように思います。
子どもの話を聞いていると、
「うーん、聞きすぎても、堂々めぐりになるし、ちょっと待つかな…」
とか、
「今は、時期じゃないな」
と感じることがあります。
先日も、口数の少ない、ある女の子が、ふっと、私に言ってくれたことが、私の心に刺さりました。
「私は、嫌なことには目を向けない。そうすれば、嫌なことを言ったり、やったりする子も、素直になりやすいと思う」
成長したなあ…
と感じました。
もちろん、この熟成方式には、不安もあります。
本当は言いたいこと、言うべきことを我慢させて、傷を深めてしまう、という危険性です。
傷を深めてしまうのか、心の中に留めて、熟成することで飛躍するのか、そのあたりの見極めは、なかなか難しいものがあります。
そこで、1つのヒントになるのは、
「まずは、一度、言ってみよう、と促す」
ことです。
初めから、熟成を狙わず、まず、言ってごらん、言うと心が軽くなることが多いよ、と話すことを勧めることが第一選択だと思います。
その結果、お子さんが言いたがらないなら、ちょっと熟成が必要です。
もちろん、その都度、様子は見ながら、ということです。
言うように促しつつ、待つ時には待つ、という感覚でしょうか。
つい、お子さんに話をさせたくて、させたくて、仕方ない、というお母さんには、ちょっと視点を変え、心のゆとりになる話かもしれません。