ピンチはチャンス。
言い古された言葉かもしれませんが、時々、思い出したいものです。
では、具体的にどうするか。
「この子は、このピンチに、何を訴えたいのか?」
を考える。
ピンチこそ、起死回生のチャンスと言います。
私も、教室で、さまざまなピンチと向き合ってきて、そう思います。
クレームは、宝の宝庫とも言います。
お客様からのクレームに誠実に対応することは、隠れていた業務の課題に気付き、解決するチャンスですし、お客様との信頼関係を築くチャンスにもなるからだそうです。
実際、私自身、ワイシャツを仕立てた時に採寸ミスがあり、お店に相談したことがあります。
その時の対応のよさから、私はすっかり、虜になってしまった経験があります。
さて、お子さんのピンチは、私のワイシャツの重要さとは比べるまでもありません。
その子の人生に大きな意味を持つ、ターニングポイントです。
もし、今が、「ピンチだ!」と思われるなら、まず、
「この子は、このピンチという状況を通して、何を訴えたいのだろう…」
と考えてみることをお勧めします。
多くの場合、
「なんで、こんなことになっちゃったんだろう…」
と、悲しくなったり、
「誰のせいで、こんなことになったの!?」
と、腹を立てたりすることになります。
それは、生身の人間の心として、大いに理解できます。
ですから、その悲しさや怒りは、当然のこととして、とことん、吐き出すことが大事ではないでしょうか。
ただし、相手は、お子さんにそのことを言わない、直接的な関係の薄い人や、信頼のおける人がいいと思います。
そういう感情をぶつけられた相手が、焦って、お子さんにお母さんの不安をぶつけてしまうと、逆効果です。
何とか、気持ちを鎮めたら、で構いません。
「この子の訴えたいことは何か」
これを冷静に考えると、大きなヒントに気付くことがあります。
コツは、誰の責任も問わないこと。
一番、気をつけていただきたいのは、
「私の育て方のせいで、こうなった」
と、お母さんが思わないことです。
お子さんの訴えたいことは、多くの場合、急に解決できないこと、相手も関係していることです。
ですから、解決には、少し時間がかかることが多いです。
お母さんの目がお子さんに向いている時、それは、「対立」になりかねません。
しかし、お子さんの向いている方に目を向ける時、その関係は、「協力」です。
お母さんの目が、二人の前に向いたことは、あえて言わなくても、お子さんに伝わるのではないでしょうか。
子ども達のしでかすピンチは、ヒントに満ちています。
先々、たくましくお子さんが自分らしさを発揮して生きていけるように、
「今」
のピンチをチャンスに変えたいものです。