気持ちを切り替えることが上手な子は、友達作りも上手なようです。
では、切り替えのコツは?
・体を動かす
・待つ
ということだと私は思います。
ひとたび、不機嫌になってしまうと、おさまるまで大変…
そんなご経験が、あるかもしれません。
当の本人が一番、辛いのですが、お母さんの立場でも、やはり辛いものでしょう。
「正直、めんどくさいです…」
とおっしゃったお母さんもいらっしゃいました。
早く気持ちを切り替えることは、とても大事なことだと思います。
さて、では、どうすればいいか。
一つには、体を動かすことです。
公園など、広い所に行くのが一番いいですが、そうもできないことの方が多いでしょう。そうであれば、室内でのちょっとしたおふざけでもいいのです。
体を動かすから、気持ちが明るくなります。
明るくなったから、体を動かせるのではありません。
教室でも、ちょっとした腕を動かす運動を入れるだけで、急に集中力が上がることがあります。もちろん、やりすぎれば、ざわつくこともありますから、加減は工夫が必要ですが、少しだけでも動くことで、気持ちはずいぶん、変わります。
そして、もう一つには、待つことです。
黙って見守る、という言い方もできるでしょう。
もう、何も受け付けない!
というほどに、心のふたが閉じているなら、黙って見ているほかありません。
あの手この手は、かえって逆効果になるように思います。
その子なりに、気持ちの整理をつけるのに、時間もかかるのです。
大人のペースと子どものペースは違います。
大人の都合が優先される方がいいと私は思いますが、こと、心については、人それぞれ、ペースの違いを受け止める必要があるのではないでしょうか。
私の勤務する学校には、「読み書きの時間」というものがあり、写経のように、いい本を書き写したり、音読したりする時間があります。
そういう、個の作業に没頭する時間を経ると、子どもの気持ちは、ずいぶん安定していることが多いようです。休み時間、けんかして戻ってきた子も、私が横に座って、写し書きに取り組んでいるのを見守っていると、次の休み時間には、もう、ケロっとしていることがほとんどなのです。
「あ、さっきのケンカ、どうする?」
と聞くと、
「もう、大丈夫!」
と、校庭に走って行ってしまいます。
私にとって、子どもの心のたくましさを感じる、いい瞬間です。
気持ちの切り替え上手な子は、機嫌悪さをひきずらないので、友達もできやすいでしょう。
気持ちも明るさを保ちやすいでしょう。
初めは、手間や時間がかかるかもしれませんが、長い目で見て、案外、大事なことなのではないかと思います。