スマートな子育て論
親子のルール作りは、道徳論ではなく、実際論。
小学生のスマホ利用に関わる記事から、ルールなしくずしの現状を打破するヒントをご提案します。
産経新聞WEBに、
と題した記事がありました。
この数字の根拠は、都の調査だそうで、3年生でも約半数が利用しており、6年生の約25%は自分のスマホを持っているともありました。
私の現場感覚としては、この数字は、概ね実情に即していると感じます。
この手のデジタルデバイスの問題は、家庭でのルール作りが肝心、という落とし所になるのです。
が、そう簡単なことではないでしょう。
なぜなら、親御さんのほとんどは、
「まだ、持たせる必要なんてないのに…」
「変に使わせると、味を覚えて、やめられなくなるのに…」
と思っているのに、使わせたり、持たせたりしているのです。
一般に言われているルールを作ったところで、なしくずしになっていくことは、ほぼ目に見えています。
でも、やはり、ルールは必要です。
そこで、私なりのルール作りのヒントをご提案します。
まず、ルールを明確にすること。
解釈の幅が広いと、ルールになりません。
例えば、
・友達に迷惑になるようなメールやメッセージは送らない
というルールでは、
「別に、相手は喜んでるんだよ」
という反論をしやすくなります。
ですから、
「友達に送ったメールやメッセージは全てお母さんかお父さんが見る」
というような明確なものにします。
そして、数を絞ること。
何しろ、デジタルデバイスのノウハウは、子どもの方が覚えが早いことが多いです。
まして、機械が不得意なお母さんでは、太刀打ちできなくなります。
何か新しいアプリを入れるたびに、ルールを追加、では、やはりなしくずしになります。
ですから、
「夜9時には、スマホをお母さんに返す」
「スマホの中身は、いつでもお父さんやお母さんが見る」
など、せいぜい3つ程度に絞ることが大切です。
大人が継続してチェックできないルールは、ない方がいいぐらいです。
最後に、どんなルールでも、道徳論や感情論ではなく、具体的な実際論にすることが大切です。
「スマホを子どもが触るなんて、10年早いわよ!自分で稼げるようになってからにしなさい!」
では、納得できないでしょう。
そうではなくて、
「寝る2時間前から後に、スマホの画面を見ると、ブルーライトで目や脳が刺激を受けて、睡眠障害が起こるから、夜は9時に預かります」
とか、
「インターネットは、相手が見えないから、本当はどういう人で、どういう考えをしているか、どこにいるか、全部ウソかもしれない。だから、インターネットで知り合った人とは会ってはいけない」
など、具体的で、実際的な論拠を示す方が説得力が増します。
相手は子どもなんだから、と軽く考えるなら、何とか、スマホをお子さんに触らせないことです。
記事にもありましたが、スマホ・インターネットをさせるということは、子ども一人で、歌舞伎町の繁華街に立たせるようなものなのです。
もっとも、このたとえは、子どもにはピンとこないでしょう。
私なら、
「スマホやインターネットを子どもだけで使うのは、子ども一人で、夜の海で泳ぐようなもの」
とでも言うでしょうか…
いずれにせよ、お子さんがその危険性を実感できそうなたとえをお考えになるといいでしょう。
「お母さんだって、やっているのに!」
とお子さんに反論されても、まったく怯む必要はありません。
何しろ、大人なのです。
お父さんがおかしなサイトにアクセスして、不思議な請求が来ても、
お母さんがついついネットショッピングして、カードの請求書に驚いても、
その責任は大人自身が取るのですから。
ぜひ、絶対の自信を持って、ルールを宣言していただきたいと思います。