シンプルな子育て論
名前をつけてみませんか?
名前をつけると、急に親しみが湧いてきます。
嫌なこと、嫌なアイツにこそ、可愛い名前をつけてみてはどうでしょうか?
我が家の近くに、とある老犬がいます。
いつも寝ているのですが、たまに道路のそばにいることもあり、
声をかけるのですが、無視され続けていました。
しかし、このところ、私たちに慣れてきたのか、声をかけると、
わりと迅速に道路のそばまでやってくるようになったのです!
でも、愛想よく、ペロペロ手をなめたり、尻尾を振ったりはしません。
一定の距離を保って、立ち尽くすだけです。
それで、
「あ〜君は、距離を保つんだよね〜」
と妻が言い、
「名前は、保つから、たもっちゃんだね」
と勝手につけてしまいました。
すると、妙に親近感が湧いてきて、
「たもっちゃん、どうしてるかね?」
と話題にのぼることも増え、また、こちらが勝手に温かい気持ちになっていました。
この一件で、
「名前って、大事だなあ」
と、あらためて感じました。
「老犬」と呼ぶのと、「たもっちゃん」と呼ぶのとでは、全然違います。
言っている本人の気持ちが温かいのです。
ですから、お子さんの困ったところ、お子さんといつもトラブルになるアイツ、
職場の面倒くさいあの人に、親しみをこめた、ちょっと笑ってしまう名前をつけると、
すいぶんイメージが変わります。
かつて、何かと言うと、すぐに怒ってしまう男の子がいました。
私も、あの手この手で、少しでも気持ちを鎮めて、勉強に集中できるように意識したのですが、
なかなか簡単ではありませんでした。
とうとう困った私は、
「まったく、ワガママ王子にはお手上げだよ」
と言ってしまいました。
言われた本人は、特に反応していませんでしたが、私自信、なんとなく、
肩の力が抜けたような感じがありました。
そして、後日、その子のお母さんと面談した際、
「先生、手のかかるウチの息子に、ワガママ王子なんて、言ってくださり、さすが上手いですね〜すっかりご機嫌で帰ってきました」
と言われたのです。
ワガママ王子だろうが、ワガママ姫だろうが、いいのです。
ちょっとした名前をつけるだけで、肩の力が抜けて、緊張が解けるかもしれません。
ぜひ今度、試してみてください。