子どもには、子どもの人柄があるんだから、大人が価値観を押し付けてはいけない!
なんて、ホント?
昨日の記事では、褒め言葉を使って、大人の価値観への誘導しすぎてはいけないのでは?とご提案しました。
でも、子育ての中で大人の価値観・価値基準を押しつけることも重要な要素の一つだと思うんです。
だって、水の流動性を大切にしようとして、入れ物に入れなければ、すべてこぼれてなくなってしまうではありませんか!
はじめは大人が、大人の責任で心の枠組みを作り、その上で、子どもがそれを壊して新しくすることを認めることが大切だと思います。
最近、子どもがどんなに小さくても、一人一人の個性を大切にしようという考え方が重視され、子どもの意向をいちいち確認することもあるようです。
しかし、個性を大切にすることと、大人が価値基準を与えないことは別の問題です。
やはり子どもが小さいうち、3年生ぐらいまでの間は、大人が自信を持って、子どもに価値基準を押し付けた方がいいと私は思います。
子どもは次第に親の手元から離れて、学校などの社会的な場で価値基準を身につけていきます。
特に5年生以上ともなると、大人の要求よりも子ども同士の関係性の方が重要性が高まります。
3年生ぐらいまでの間に、何をしていいのか、いけないのか、お母さんが自信を持って、伝えておく必要があると思います。
それがあるから、子ども同士の関係性の中で、自分を磨いていけるのです。
私は現役の小学校教師として、大切なお子さんをお預かりしています。
朝は7時半の開門から、日によっては夕方の4時まで、一日中一緒に過ごします。
また、私の勤める学校では、臨海学校を大切な行事としています。
1週間近くもの間、24時間、寝食をともにしています。
当然、担任教師の価値観・価値基準が子どもに大きな影響を与えます。
そんなわけで、1年もおつきあいすると、
「ミニ青木」
が育ってくるわけです。
担任でさえそうなのですから、親御さん、中でもお母さんの与える影響力たるや、想像以上のものがあります。
でも、その影響力が基礎になるからこそ、大きくなった時に、自分らしさを磨くことができるのです。
4年生ぐらいからは、子どもはお母さんの積み上げた価値基準を壊そうとしてきます。
私のいう「積み木崩し」です。
せっかく作ったものを壊されるのは、悲しいですし、不安ですが、全部を壊すわけではないので安心してください。
基礎は残したまま、上に積み上げる部分だけ、作り替えたり、足したりしようとしているだけなのです。所詮は一部増築、改築です。
ですが、この「一部増改築」こそ、自分らしさなのです。
ぜひ、自信を持って、あなたの価値基準をお子さんに伝えてください。それがないとお子さんは自分らしさを築くことができないと私は思います。