先日、かさこ塾で知り合った、家族問題ライター&アドバイザーの中野セリさんとお話をする機会がありました。
その際、親から受けた精神的な苦しみは、なかなかわかってもらえず、大変だ、ということを伺いました。
とはいえ、正直なところ、まさか私の心の中に秘めた親への怒りや悲しみがあるとは、思ってもいませんでした。
ですが、中野さんとお話をしているうちに、自分にも、そういう感情があるのかな…と思うようになりました。
そこで、ある時、スタバにこもって(?)、自分の過去の記憶を辿ってみました。
すると、自分の中では、「よい思い出」と認識していた子どもの頃のトピックが、実は、怒りや悲しみの裏返しの意味づけだったのではないか!?と思ってしまったのでした。
私は両親が働いていて、長い夏休みは、四国の香川県に祖父母とともに過ごしていました。
小学校の恒例行事、臨海学校が終わるや、祖母とともに新幹線で岡山へ。
そして、真夏の暑さの中、宇野線という電車に乗り換え、宇野からは、連絡船で高松に渡ります。
あんなに暑いのに、毎回、デッキで海風にあたりながら、うどんを食べたのは、今でも、心が温かくなる思い出です。
1時間の船旅を終えて、船が桟橋に着くや、何百人の大競走が始まります。
高松から先、松山、高知、徳島などに向かう連絡列車の座席を確保するためです。
私の場合、急行(特急ではありません)で40分ぐらいの距離でしたから、まぁ、座れなくても耐えられるのですが、すでに東京から6時間を超える長旅ですから、やはり座りたいものです。
というより、みんな走るので、つられて走っていたのかもしれません。
高松と徳島のほぼ中間にある、三本松という駅で急行を降りる頃には、もう日が傾いていて、疲れながらも、これから始まる釣り三昧の楽しい生活にワクワクしたのをよく覚えています。
そんな訳で、私にとっての小学生時代の夏の思い出は、なかなか、他の友達が経験していないようなリゾート(!)ライフでしたから、自慢だったのです。
でも、中野さんとお話をして以来、それは本当かな…
と気になるようになりました。
まだ小さかった、子ども時代、そういう意味づけでもしない限り、心の平穏を保てなかったのかもしれない。
そう思うと、両親への恨みがフツフツと…
湧いて来なかったのです。
なんとなく、両親に対して素直になれなかった私でしたが、むしろ、それ以来、少しは、心を開けるようになったような気がします。
自分のことは、自分が一番わかってないな、と痛感しました。
また、自分の心と対話することは、見たくない自分を見せつけられるのではなく、かえって心を軽くするのだな、と感じる経験でした。
ところで、私のブログは、子育て中のお母さんに向けて書いていますから、今日の記事を読まれた方は、
「子どもにこんな思いをさせないために、どうしましょう?」
と思われるかもしれません。
私は、親子は、いつの時代も、お互いにそういう思いをさせあっているのだから、そんなに意識しない方がかえっていいのではないか、と思います。
いつもお母さんは一生懸命です。
私の母も一生懸命でした。(たぶん…)
いつになるかはわかりませんが、ある時、お互いにそれを許す、あるいは認めることができるのではないかと思います。
さて、家族問題ライター&アドバイザーの中野さんは、自身もご両親の不仲という環境に育たれ、心や体が苦しい時もあったそうです。
ですが、それを乗り越えた経験から、家族問題に悩みを持つ方々のサポートをすることに至ったそうです。
ご関心のある方は、ホームページをぜひご覧ください!