ホンモノは言葉の数十倍、数百倍、説得力がある
今日は、東京は吉祥寺にある、井の頭公園で学んだことから、ホンモノ・実体験の力をご紹介します。
「外来生物は、固有の生態系を著しく破壊してしまう可能性があるので、持ち込んではいけません」
当たり前のことです。
いろいろなメディアで紹介されています。
図鑑などにも載っていますから、知識としては、子ども達だって、わかっている子も多いでしょう。
右の写真は、井の頭公園をご存知の方なら、きっと、すぐにどこだかわかると思います。
吉祥寺駅からマルイの横を通って、降りたところにある七井橋から見えるマンションが写っています。
今日は、井の頭自然文化園主催の研修で、井の頭池の生態調査をしてきました。
こういうワナをしかけて、どんな生き物が、どれくらいいるのかを調べます。
ブルーギルやオオクチバスといった有名な特定外来生物はどの程度、駆除されたのでしょうか。固有の生物はどの程度いるでしょうか。
文化園の方と、私たち参加者で手分けをして、ワナをしかけた結果は、下のような感じでした。
こちらは、固有種のモツゴ。
関東では、クチボソともいうそうです。
これが、11匹でした。
文化園の方によると、思ったよりも多かったとのことです。
そして、ブルーギルです。
この写真の他、中型・小型のものも合わせて、18匹でした。
写真にはありませんが、文化園の水生物館裏にある小さな池で、ザリガニ釣りもやってみたところ、大小たくさんのアメリカザリガニも釣れました。
ご存知の方も多いでしょうが、井の頭公園では、近々、100周年を迎えることから、井の頭池の水質改善の取り組みとして、池の水をすべて抜く「かいぼり」を昨年おこないました。
その際は、200台もの自転車が池から出てきたことが話題になりましたので、ご記憶にあるかもしれません。
もちろん、自転車も困りますが、井の頭池の場合、どこからか湧き水がわずかにあるようで、池の水をすべて抜く、ということができなかったそうです。
しかも、あの冬は雪の当たり年で、大雪が二回も連続しました。
おかげで、ブルーギルを駆除しきれなかったのです。
私も、かいぼりの様子を直接見たのですが、残った水は、さほど多かったようには見えませんでした。ボランティアの方々が、いつも網を手に持って、魚を取っていましたが、それでも、駆除なんてできないのです。
アメリカザリガニに至っては、冬は土の中にもぐってしまうので、さらに駆除は困難です。
いえ、不可能です。
このようなことは、実際に、池に行き、生物を見て、実感できるものだと思います。
まあ、1匹や2匹、いいじゃない、と池に気楽な気持ちで放ってしまうことがどれほどの影響を与えるか。
自分の手で魚を捕り、ブルーギルの数を知ることで、心に刺さる学びになるのだと思います。