いいところを伸ばす。
悪いところは、ほどほどに見る。
今日は私自身の子どもの頃のことを中心にお話させてください。
私は中学受験を経験しました。
その時、国語と社会が得意で、特に社会は、特に準備して行かなくても、成績上位者で、名前が出るほどでした!
しかし…
算数は、極端に苦手だったんです。
そんな私の様子から、塾の先生は、大得意な社会、そこそこできた理科を捨てて、算数に勉強時間を割くように私の母にアドバイスしたのでした。
田舎から出てきた両親は、中学受験のこともわかっていませんし、それならば、と四教科をやめて、国語と算数の二教科受験にしました。
受験校も、国語重視の学校を中心にし、私の個性やタイプは、考えないで選びました。
すると、模擬試験でA判定しか取ったことのなかった学校にアッサリ落ちてしまったのです。
このことは、母は随分、後悔していました。
塾の先生の言いなりにならず、得意なことを残しておくべきだった、と何回も聞かされました。
それは、落ちたからでしょ…
結果論ですよ。
確かに、そうも言えます。
でも、私は教師となった今、預かってきた子ども達のことを思い返すと、やはり、好きな科目を捨てる手はないな、と思います。
もちろん不得意な科目を頑張る必要はありますが、そればかりを強調しても、やる気になれません。
どんどん自信をなくしてしまい、さらに勉強しない、という悪循環になりがちです。
それに、「不得意」というのも、かなり思い込みの要素が強いのです。
何しろ、いわゆる滑り止めに入った私は、ある時、中学校の先生に、突然、こんなことを言われたんです。
「青木、お前は入試の時、算数は相当、上位で入っていたぞ」
私はビックリしました。
「不得意」というのは、実は、
「面倒でイヤ」
とか、
「真剣にやってできなかったら恥ずかしいのでやらない」
というようなことかもしれないのです。
しかも、それを教えてくれたのは、私が得意だった国語の先生で、しかも担任でもなんでもないというのも不思議な縁です。
まぁ、どうであれ、勉強しないことには、力はつきません。私が中学受験で失敗したのは、勉強不足以外の何物でもないのです。
それは、当然の事実とした上で、どんな子にも、大なり小なり、得手不得手がありますが、80%は、得意なところを伸ばす方針がいいのではないか、というのが私の考えです。